VODのダウンロードは違法?バレる?電子透かしの仕組みを【弁護士監修】で解説

はじめに:「オフラインで動画を楽しみたいけど、これって違法?」

「通信量を気にせず、好きな場所でVODを楽しみたい」
「お気に入りのシーンをいつでも見返せるように、手元に保存しておきたい」

そう思って、VODの動画をダウンロードしたり、画面録画したりできないかと考えたことはありませんか?でも、同時にこんな不安もよぎりますよね。

「VODのダウンロードって、そもそも違法なの?」
「もしやったら、バレることはあるの?」

この問題は、法律も絡む非常にデリケートなテーマです。そこで今回、私たち「大人ナビ」編集部は、著作権に詳しい弁護士をはじめとする専門家の監修のもと、この疑問に真正面からお答えする記事を作成しました。

この記事を最後まで読めば、何が安全で、何が危険なのかが明確にわかります。もう漠然とした不安を抱えるのはやめて、正しい知識を身につけて、安心してVODを楽しみましょう!

【結論】VODのダウンロード・録画は「黒に近いグレー」ではなく「真っ黒」

まず結論からお伝えします。
VODサービスの動画を、公式のダウンロード機能以外の方法で保存する行為は、ほぼすべてのケースで違法となります。

行為違法性バレる可能性備考
公式アプリのダウンロード機能を使う合法サービスが認める唯一の安全な方法
PCソフト等で画面録画・保存する違法中〜高利用規約違反 + 著作権法違反
違法サイトからダウンロードする違法(刑事罰の対象)絶対に手を出してはいけない行為

「個人で楽しむだけなら大丈夫(私的利用)でしょ?」と思うかもしれませんが、実はそこには大きな落とし穴があります。次の章で、その法律の仕組みを分かりやすく解説します。

なぜ違法なの?著作権法と「私的利用」の落とし穴

日本の著作権法では、たしかに「私的使用のための複製」が認められており、個人や家庭内で楽しむためにコンテンツをコピーすることは、原則として許可されています。テレビ番組の録画がこれにあたります。

しかし、VODのダウンロードには、この原則が適用されない2つの大きな理由があります。

理由1:コピーガード(DRM)を解除する行為そのものが違法

U-NEXTやFANZAなどのVODサービスは、コンテンツが無断でコピーされないように「DRM(デジタル著作権管理)」という技術的な保護手段(コピーガード)をかけています。

著作権法では、この技術的保護手段を回避して複製を行うことは、たとえ私的目的であっても違法と定められています。画面録画ソフトなどは、このDRMを無力化して録画を行うため、使った時点で法律違反となってしまうのです。

編集部

PCでVODを再生しながら画面録画しようとすると、映像が真っ黒になった経験はありませんか?あれこそがDRMが正常に作動している証拠なんです。

理由2:「違法アップロードされたもの」と知りながらのダウンロードは刑事罰の対象

もしあなたが利用するのが、海賊版サイトのように明らかに違法にアップロードされた動画である場合、話はさらに深刻になります。

2021年1月から施行された改正著作権法により、違法にアップロードされたコンテンツだと知りながらダウンロードする行為は、私的使用目的であっても全面的に違法となり、刑事罰の対象となりました。

具体的には、「2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金、またはその両方」が科される可能性があります。軽い気持ちで手を出していい領域では決してありません。

どうやってバレるの?「電子透かし」の恐るべき仕組み

「でも、誰がダウンロードしたかなんて、どうやって特定するの?」
そう思う方もいるでしょう。その答えが「電子透かし(デジタルウォーターマーク)」技術です。

電子透かしには、目に見えるもの(テレビ局のロゴなど)と、人間の目には見えないものがあります。VODサービスで使われているのは、後者の目に見えない「フォレンジック・ウォーターマーク」と呼ばれる高度な技術です。

あなたの動画には「あなただけの印」が付けられている

この技術の最も恐ろしい点は、動画を再生するユーザーごとに、異なる情報を埋め込めることです。

つまり、あなたがVODサービスで動画を再生した瞬間、その映像データには「あなたのユーザーID」「視聴を開始した日時」といった個人を特定できる情報が、目に見えない形で埋め込まれているのです。

もし、あなたが録画・保存した動画が何らかの形でインターネット上に流出した場合、サービス提供者はその動画の電子透かしを解析するだけで、「いつ、誰のアカウントから流出したものか」を正確に特定できてしまいます。これは、不正行為に対する極めて強力な抑止力となっています。

唯一の安全策!「公式ダウンロード機能」を正しく使おう

結論として、VODの動画をオフラインで安全に楽しむ方法はただ一つ。それは、各サービスが公式に提供している「ダウンロード機能」を利用することです。

U-NEXTやFANZAなど、多くのVODアプリにはダウンロード機能が備わっており、これを使えば規約違反にも著作権法違反にもならず、安心して動画をスマホやタブレットに保存できます。

もちろん、公式機能にはいくつかの制限があります。

  • ダウンロードできない作品もある
  • 視聴期限が設定されている場合が多い
  • ダウンロードできる端末数に上限がある
  • PCにはダウンロードできないサービスがほとんど

しかし、これらの制限は、制作者の権利を守り、サービスを健全に運営するために必要なルールです。私たちユーザーは、このルールの中で楽しむことが求められます。

編集部

少し不便に感じるかもしれませんが、この「ルールの中で楽しむ」という意識が、結果的に自分自身を法的なリスクから守ることにつながります。安全第一でいきましょう!

まとめ:正しい知識で、クリーンに楽しむのが大人のマナー

今回は、VODのダウンロードに関する少し難しい法律の話を解説しました。ポイントをもう一度おさらいしましょう。

  • 公式ダウンロード機能以外の録画・保存はすべてNG(違法)
  • 「私的利用だからOK」はVODには通用しない
  • 「電子透かし」によって、誰が保存したかは技術的に特定可能
  • 安全に楽しむ方法は「公式ダウンロード機能」の利用一択

便利な世の中だからこそ、私たちは作り手への敬意を忘れず、正しいルールの上でコンテンツを楽しむ必要があります。それが、クリエイターを守り、結果的に私たちがこれからも素晴らしい作品に出会い続けられる環境を守ることにつながるのです。

正しい知識を身につけて、これからも安心してVODライフを満喫してくださいね!

よくある質問

画面をスクリーンショットで撮影するのも違法ですか?
はい、違法と判断される可能性が非常に高いです。スクリーンショットも著作権法上の「複製」にあたります。また、スクリーンショットを撮る行為自体が、DRM(コピーガード)を回避する試みと見なされる可能性があります。さらに、数十ページの漫画のうち数コマ程度といった「軽微なもの」は例外的に許容される場合がありますが 、動画の1シーンがこれに該当するかは判断が難しく、安全とは言えません。
違法ダウンロードで逮捕された人っているんですか?
違法ダウンロードは「親告罪」といって、著作権者からの告訴がなければ警察は捜査に乗り出しません。そのため、アップロードに比べて逮捕事例は少ないのが現状です。しかし、告訴されれば当然、逮捕の可能性はあります 。権利者側が発信者情報開示請求を行い、個人を特定して損害賠償請求や刑事告訴に踏み切るケースは実際に存在します。決して「バレないから大丈夫」というわけではありません。

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